ARTIST
アーティスト / 渡邊頼子プロフィール
静岡県静岡市出身。エリザベト音楽大学宗教声楽コース、英国王立音楽院、オーストラリアクイーンズランド音楽院等で学ぶ。イギリス留学中に出会った上海出身のオーボエ奏者とオーストラリアで結婚し、彼の創立したK.GE DOBLE REEDS Co.,Ltd をメルボルン創設当時より支え、現在日本支社代表取締役を務める。留学当時偶然ローリングストーンズのギタリスト ビル・ワイマンの結婚式で歌う。オーストラリア約18年、上海約5年を経て現在静岡県熱海市在住。オーストラリア時代に始めた太極拳と中国武術に魅了され、武術大会用の楽曲制作を開始し、2011年静岡市グランシップにて、和太鼓、書道などの東洋コンテンツと共に太極拳と中国武術と自らの音楽のコラボステージ「新時空体験」を開催。
中国武術とローランドのシンセサイザー
師事していた声楽の先生にリラクセーションを勧められた私が選んだのは太極拳でした。たまたま北京体育大学出身で中国の大会のチャンピオンかつオーストラリアのナショナルウーシュウチームのコーチでもあった指導者の下体験した太極拳は、身体の中に清流が出現したような未体験の感覚を与えてくれ、それは又、幼少時から続けていた西洋音楽の学びの延長で導かれたオーストラリアで初めて自分の中のアジアの文化を感じた時でした。
一方ローランドの創業者、梯郁太郎氏に個人的にお会いする機会に恵まれ、それまで全く興味のなかった電子音楽機器との出会いからファントムという素晴らしい楽器を知り、そこから自分の聴きたい音楽作りがはじまりました。この二つともが、自分が自分で作っていた殻を破って外へ出る道へと誘ってくれた大事なものです。
音楽と中国武術
YouTubeの私のアカウントで、武術はダンスでは無いというコメントが付けられた事があり、過去に師事した先生方の中にもそういう意見はありました。それはそうだろうと私も思います。因みに私は全くダンスとか舞踊系の物に興味はありません。武術のそれは防御や攻撃の意味がはっきりある、言うなれば戦いの動きです。その動きになんとも言えず惹かれて美しいと感じます。武術に音楽は不要でしょうが、実践用ではない状況で、私はより動きが引き立つ、もしくは動きに重ねてドラマを感じさせるものとして音楽をつけています。
オリジナルの映像と音楽の意味
初めてファントムで作った曲を梯さんが聞いてくださった時に、「ゼロから自分のイメージを元に音楽を作ってゆく事は映像作りと同じ。」と言われ、そこから動画作りを始めましたが、ビデオカメラも経験した上で、結局は映像を取り込み易いiPhoneとMacの組み合わせでやっています。自分で映像撮影するのが一番ですが、通常では撮りえない映像も欲しい時は映像素材を使用します。音楽についてはファントムが自前のオーケストラかつバンドみたいなものですが、アコースティック楽器には圧倒的魅力がありますので、機会があればアコースティックアーティストとも一緒にやってみたいと思っています。要はどうやって自分の感じる物を見える/聴こえる形にして行けるかという所で、映像はともかく自分の聴きたい音楽というのは確かにあり、それは一番大切な事は自分の言葉で語りたいという事なのだと思います。
時代は移り、シンセ一台完結型からDAWへさまざまな音源を読み込むことでの楽曲作成へと私も様々な学びがあるのですが、今の音源の素晴らしさに複雑な気持ちもあります。便利さで確実に失っているものもあると感じているからです。